車の総額ナビ「新車と中古、どちらが得か」は、同じ期間乗る前提にそろえないと比べられません。新車を7年、中古を3年で比べても意味がないからです。ここでは年式のちがう同じ車に5年乗るとして、かかる額を並べます。前提の置き方は車の維持費の見方と同じです。
| 買うときの年式 | 買値の目安 | 5年後の価値 | 値下がり | 維持費(5年) | 5年でかかる額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新車 | 194万円 | 44万円 | 135万円 | 98万円 | 262万円 |
| 3年落ち(残価55%) | 107万円 | 36万円 | 65万円 | 98万円 | 174万円 |
| 5年落ち(残価37%) | 72万円 | 24万円 | 45万円 | 98万円 | 148万円 |
| 7年落ち(残価25%) | 48万円 | 16万円 | 32万円 | 98万円 | 129万円 |
※ 中古の価格は、このサイトが使っている残価率(7年で25%)から逆算した目安です。実勢の中古相場ではありません。人気の車種は目安より高く、不人気の車種や過走行の個体は安くなります。実際の相場が分かったら、総額シミュレーションの車両価格に入れ直してください。
新車と7年落ちで133万円の差です。差の正体は値下がりの大きさで、新車は最初の数年でいちばん大きく下がります。1年落ちの時点で目安82%、3年で55%、5年で37%。中古を買うというのは、その値下がりを前の持ち主に払ってもらった状態から乗り始めるということです。
| 車種 | 新車価格 | 新車 | 3年落ち | 5年落ち | 7年落ち | 新車と7年落ちの差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| トヨタ ヤリス | 176万円 | 262万円 | 174万円 | 148万円 | 129万円 | 133万円 |
| ホンダ N-BOX | 160万円 | 245万円 | 166万円 | 141万円 | 125万円 | 120万円 |
| 日産 セレナ | 321万円 | 419万円 | 259万円 | 210万円 | 177万円 | 242万円 |
| トヨタ クラウン | 440万円 | 540万円 | 321万円 | 253万円 | 209万円 | 331万円 |
トヨタ クラウンのように車両価格が高い車ほど、中古にしたときに浮く額は大きくなります。値下がりは価格に比例するからです。「高い車ほど中古のうまみが大きい」というのは、この意味では正しいと言えます。ただし修理費も価格に比例して高くなるので、そこが打ち消し合います。
| 入っていないもの | 中身 | どちらに効くか |
|---|---|---|
| 修理費 | 年式が古いほど故障が増える。1回で10万円単位になることもある | 中古に不利 |
| 消耗品の残り | タイヤ・バッテリー・ブレーキが減った状態で来ることがある | 中古に不利 |
| メーカー保証 | 新車は3年(動力系5年)。中古は切れていることが多い | 中古に不利 |
| 車検の残り | 中古は買った直後に車検が来ることがある | 中古に不利 |
| 13年超の重課 | ガソリン車は自動車税と重量税が上がる(HV・EVは対象外) | 古い中古に不利 |
| 金利 | 中古ローンは新車より金利が高いことが多い | 中古に不利 |
| 値引き | 新車は交渉できる。中古は総額表示のことが多い | 新車に有利 |
表のとおり、抜けている項目はほとんどが中古側の不利です。上の金額差がそのまま「中古のほうが得な額」になるわけではありません。目安としては、浮いた額の何割かが修理と消耗品に消えると考えておくと、あとで慌てずに済みます。とくに年式が古い個体では、買ってすぐにタイヤとバッテリーで10万円、ということが珍しくありません。
| こういう人 | 向いているほう | 理由 |
|---|---|---|
| 予算を抑えたい | 中古(3〜5年落ち) | 値下がりの大きい時期を過ぎていて、装備も新しい |
| 修理で困りたくない | 新車 | メーカー保証が付く。最初の車検まで大きな出費が来ない |
| 長く乗るつもり | 新車 | 同じ年数乗るなら、新車のほうが後半の状態がよい |
| 短く乗り換える | 中古 | 値下がりが緩やかな時期だけを使える |
| 最新の安全装備が欲しい | 新車 | 自動ブレーキ等は年式で差が大きい |
| めったに乗らない | 中古 | 距離を走らないなら、状態の劣化も遅い |
金額だけなら中古が有利に出ますが、その差は「修理のリスクを自分で引き受ける対価」でもあります。3〜5年落ちは、値下がりの大きい時期を過ぎていて、まだ故障が増える時期には入っていない、という意味で中間に位置します。迷ったときの落としどころとしては現実的な選択です。
| 年式 | メーカー保証 | 次の車検 | 消耗品の状態 | 買った直後に出やすい出費 |
|---|---|---|---|---|
| 新車 | 一般3年・動力系5年 | 3年後 | 全部新品 | なし |
| 3年落ち | 一般は切れる。動力系は残ることも | 買った直後か2年後 | タイヤが half 前後 | タイヤ(3〜10万円) |
| 5年落ち | 切れている | 買った直後か2年後 | タイヤ・バッテリーが交換時期 | タイヤ+バッテリー(5〜13万円) |
| 7年落ち | 切れている | 買った直後か2年後 | ブレーキ・足回りも視野 | 上記+ブレーキ(2〜5万円) |
| 10年落ち以上 | 切れている | 2年ごと | ゴム類・電装品の劣化 | 予測しにくい。修理の備えが要る |
※ 「half」はタイヤの溝が半分ほど残っている状態を指します。保証の年数はメーカーと車種で異なります。
3〜5年落ちが勧められることが多いのは、値下がりの大きい時期を過ぎていて、まだ大きな修理が始まらないからです。ただしタイヤとバッテリーは交換時期に入っていることが多く、買った直後に5〜13万円が出ることがあります。見積もりの総額だけで比べず、その場で交換が要るものを聞いてから決めてください。車検が残り少ない個体は、その費用も近いうちに来ます。