車の総額ナビ
車は何年乗るのが得か、と調べると「7年がベスト」「5年で乗り換えるのがおすすめ」といった答えが出てきます。ただ、その根拠はたいてい「買取額がまだ付いて、車検の負担も重くならない時期だから」という言い方で、いくら違うのかという金額が書かれていません。3年で乗り換える人と10年乗る人で、実際に何円ちがうのかが分からないと判断できません。
この記事では、車は何年乗るのが得かを金額で出します。50台を同じ条件で計算し、3年・5年・7年・10年・13年・15年のそれぞれについて、総額・1年あたり・1kmあたりを並べました。残価は年式に応じて下げています。多くの記事は残価を一律で置いていますが、それだと長く乗るほど得だという結論が実際より大きく出ます。前提の置き方は車の維持費の見方と同じです。
| 乗る年数 | 総額(真ん中) | 1年あたり | 1kmあたり | 前の行からの下がり幅 | 手放すときの残価の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3年 | 244万円 | 812,570円 | 101.6円 | — | 55% |
| 5年 | 340万円 | 680,586円 | 85.1円 | −16.5円/km | 37% |
| 7年(この記事の基準) | 420万円 | 600,403円 | 75.1円 | −10.0円/km | 25% |
| 10年 | 520万円 | 519,904円 | 65.0円 | −10.1円/km | 14% |
| 13年 | 620万円 | 476,612円 | 59.6円 | −5.4円/km | 8% |
| 15年 | 681万円 | 453,973円 | 56.7円 | −2.8円/km | 5% |
車は何年乗るのが得かを1kmあたりで見ると、3年で降りると101.6円、15年乗ると56.7円です。その差は1kmあたり44.8円。年8,000km走る人なら年358,597円の差になります。ここまで開くのは、車体代を何年で割るかが変わるからです。税・保険・車検・燃料は毎年ほぼ同じだけかかるので、差を作っているのは車体代のほうです。
| 延ばす区間 | 1kmあたりの下がり幅 | 年8,000kmなら年いくら | 効き目 |
|---|---|---|---|
| 3年 → 5年 | −16.5円/km | −131,984円 | 大きい |
| 5年 → 7年 | −10.0円/km | −80,183円 | 大きい |
| 7年 → 10年 | −10.1円/km | −80,499円 | 大きい |
| 10年 → 13年 | −5.4円/km | −43,292円 | 中くらい |
| 13年 → 15年 | −2.8円/km | −22,639円 | 小さい |
車は何年乗るのが得かという問いに対して、「いちばん効くのは最初の延長」というのがこの表の答えです。3年で乗り換えていた人が5年に延ばすと年131,984円、5年の人が7年に延ばすと年80,183円、7年の人が10年に延ばすと年80,499円。そこから先は年22,639円まで落ちます。つまり3年や4年で乗り換えているなら延ばす価値が大きく、すでに10年乗っているなら、あと数年粘っても金額の見返りは小さいということです。
そして、この表に入っていないものが1つあります。修理費です。年式が古くなるほど故障は増え、10年を過ぎたあたりから1回で10万円単位の出費が出ることがあります。上の表で13年→15年の見返りが年22,639円しかないのに対し、修理が1回入れば簡単に上回ります。「長く乗るほど得」が成り立たなくなるのは、この2つが逆転する時点です。金額の見返りが小さくなる10年前後が、その目安になります。
車は何年乗るのが得かという話で7年がよく挙がるのは、車検の回数と買取額のバランスからです。新車は3年目に初回車検、その後は2年ごとなので、7年目は3回目の車検が来る直前。車検を通さずに手放せて、かつ買取額がまだ残っているという理屈になります。
| 乗る年数 | 車検の回数 | 通した車検代の合計(真ん中) | 1kmあたり | 金額だけで見た順位 |
|---|---|---|---|---|
| 3年 | 1回 | 90,000円 | 101.6円 | 6位 |
| 5年 | 2回 | 180,000円 | 85.1円 | 5位 |
| 7年 | 3回 | 270,000円 | 75.1円 | 4位 |
| 10年 | 4回 | 360,000円 | 65.0円 | 3位 |
| 13年 | 6回 | 540,000円 | 59.6円 | 2位 |
| 15年 | 7回 | 639,600円 | 56.7円 | 1位 |
金額だけを物差しにすると、50台の真ん中では15年がいちばん小さくなります(1kmあたり56.7円)。7年は4位です。ただし7年で手放すと、車検を1回通さずに済み、修理が増える時期の前に降りられます。7年という答えは「金額が最小」ではなく「金額と手間と不安のバランス」で選ばれている、と読むのが正確です。そこまで分かったうえで、自分がどれを重く見るかを決められます。
| 区分 | 台数 | 3年 | 5年 | 7年 | 10年 | 13年 | 15年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 7台 | 60.3円 | 52.1円 | 47.1円 | 41.6円 | 38.6円 | 36.9円 |
| 小型車 | 14台 | 80.0円 | 68.0円 | 60.6円 | 52.7円 | 48.3円 | 46.2円 |
| 中型車 | 13台 | 113.8円 | 94.7円 | 83.1円 | 71.0円 | 63.9円 | 60.1円 |
| 大型車 | 10台 | 139.2円 | 115.7円 | 101.8円 | 87.4円 | 78.9円 | 73.5円 |
| 電気自動車 | 6台 | 169.1円 | 135.7円 | 115.7円 | 95.4円 | 82.7円 | 76.1円 |
車は何年乗るのが得かという答えは、区分を変えてもほとんど動きません。軽自動車でも大型車でも、1kmあたりが下がり続けて、下がり方が鈍っていく形は同じだからです。違うのは水準で、軽自動車の47.1円に対して大型車は101.8円(どちらも7年)。高い車ほど、短く乗り換えたときの損が大きくなります。車体代が大きいぶん、割る年数が短いと1kmあたりに強く出るためです。車種ごとの金額は50台の総額ランキングにあります。
| 乗る年数 | 残価を25%で固定した場合 | 年式に応じて下げた場合 | 差 | 固定だと何%多く見えるか |
|---|---|---|---|---|
| 3年 | 136.8円 | 101.6円 | 35.2円 | 35% |
| 5年 | 93.6円 | 85.1円 | 8.5円 | 10% |
| 7年 | 75.1円 | 75.1円 | 0.0円 | 0% |
| 10年 | 61.4円 | 65.0円 | -3.5円 | 5% |
| 13年 | 55.3円 | 59.6円 | -4.2円 | 7% |
| 15年 | 52.6円 | 56.7円 | -4.2円 | 7% |
15年乗った車に、7年落ちと同じ残価が付くことはありません。それなのに残価率を一律で置くと、長く乗るほど戻ってくるお金が多いことになってしまい、「長く乗るほど得」が過大に出ます。この記事では、7年落ちで25%という前提から逆算した曲線(3年で55%、5年で37%、10年で14%、15年で5%)で下げています。実勢の中古相場ではなく、前提から逆算した目安です。人気の車種なら目安より高く、不人気や過走行なら安くなります(残価の見方)。
| トヨタ カローラクロスを10年乗った場合の年ごとの出費 | |
|---|---|
| 1年目 | 1,248,626円(頭金が乗る) |
| 2年目 | 748,626円 |
| 3年目 | 848,626円 |
| 4年目 | 748,626円 |
| 5年目 | 848,626円(ローン最終年) |
| 6年目 | 179,846円(ここから軽くなる) |
| 7年目 | 279,846円 |
| 8年目 | 179,846円 |
| 9年目 | 279,846円 |
| 10年目 | −520,154円(残価が戻る) |
トヨタ カローラクロスの例では、ローンが終わった6年目から年179,846円前後まで落ちます。1年目の1,248,626円と比べると大きな差です。車は何年乗るのが得かという問いは、「この軽い期間を何年使うか」という問いとほぼ同じです。5年で乗り換える人はこの期間がゼロ、10年乗る人は5年ぶん使えます。「車が高い」と感じているとき、その正体が車そのものではなく乗り換えの間隔だった、ということは珍しくありません。
| こういう人 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| いま3〜4年で乗り換えている | 5〜7年に延ばす | 延ばす効きがいちばん大きい区間。年131,984円前後変わる |
| 車が止まると生活が止まる | 7年前後 | 保証と車検のタイミングで降りられる。修理の不安を金額で買う形 |
| 通勤に使わない・代わりの足がある | 10年以上 | 修理が出ても困りにくい。金額の見返りを取りにいける |
| 年3,000km程度しか乗らない | 長く乗る、または持たない | 走らないと1kmあたりが上がる。借りるほうが安いこともある |
| 年20,000km以上走る | 7〜10年 | 距離で消耗が進む。年数より走行距離で判断する |
| ハイブリッドか電気自動車に乗っている | 長く乗りやすい | 13年超の自動車税・重量税の重課が無い。ガソリン車なら年1万円前後増える |
車は何年乗るのが得かに、全員に当てはまる答えはありません。ただ金額の側だけは計算で出せます。上の表で自分に近い行を見て、そこに修理の不安をどれだけ足すかで決められます。自分の走行距離と車種で計算し直すなら、総額シミュレーションで年数を動かすと、この記事と同じ数字がその場で出ます。
車種を選んで乗る年数を動かすと、総額・1年あたり・1kmあたりがその場で出ます。残価率も動かせるので、査定額が分かっているならその数字で計算できます。
総額シミュレーションで計算する →